• 四十代夫婦が綴る書評と雑記

新着情報

書評「おもろい以外いらんねん」 括られて見えづらくなるものの可視化。

おもろい以外いらんねん 主な登場人物は高校の同級生だった三人。 プロの芸人としてコンビを組む二人と、彼らをテレビや配信越しに見つめる一人。 お笑い芸人を小説の題材として据えるのはとても難しいことではないかと思う。 有名な …

2023年4月10日 /
書評
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書評「プチ哲学」 気楽に穏やかな気持ちで新しい考え方に踏み出す。

プチ哲学 (中公文庫) 著者の佐藤雅彦さんは、私のような四十代の人にとっては 「ポリンキー」「バザールでござーる」等を手がけた方と言えばピンとくるかもしれません。 懐かしいですよね、NECのCM! 「だんご三兄弟」のプロ …

2023年4月7日 /
書評
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書評「ランディ・メッセンジャー すべてはタイガースのために」 阪神の元エースは向上心の塊。

ランディ・メッセンジャー~すべてはタイガースのために 2019年シーズンをもって引退した阪神タイガースの元エースが、2018年に書いた本。 私は小学生からの大の阪神ファンで、甲子園球場にてランディ・メッセンジャー(愛称メ …

2023年4月5日 /
書評
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書評「一億円のさようなら」 分厚いが軽快に読める大傑作。

一億円のさようなら (徳間文庫) 文庫でも665頁もある白石一文の大作。 20年も連れ添った妻が34億円もの遺産を相続していたことを知った中年男性が主人公。 遺産はほぼ手つかずだが、そのうち2億円のみ株式に投資され、高騰 …

2023年3月30日 /
書評
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書評「推し、燃ゆ」 現代的でありながら伝統的でもあるモチーフ。

推し、燃ゆ 宇佐美りんによる第164回芥川賞受賞作。 私の身の回りにも、”推し”という言葉を使う人は数名いて、 その対象は男性アイドルであることが多いです。 同僚や友人からその推しについての熱弁を聞くのは、 存外楽しいん …

2023年3月19日 /
書評
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書評「祐介・字慰」 夢に縛られた日常で光るもの

祐介・字慰 (文春文庫) ロックバンド、クリープハイプのボーカルである尾崎世界観の初小説。 「祐介」文庫化に際し、短編「字慰」も併録。 まず「祐介」は私小説風に書かれた作品で、尾崎世界観の本名が「祐介」であることは、 踏 …

2023年3月13日 /
書評
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書評「孤独を生きる」 教養と知性の力

孤独を生きる (PHP新書) 昨今、現代人の「孤独」が大きな問題になっていると言われていますが 孤独は本来、人を成長させるのに必要な時間。 身近なところでは試験勉強がありますが、 偉大な業績を成し遂げた先人たちにも、 孤 …

2023年3月11日 /
書評
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書評「ブラックボックス」 コロナ禍を舞台に懊悩する自我

ブラックボックス 砂川文次の芥川賞受賞作。 主人公のサクマは自転車に跨り、メッセンジャーとして生計をたてています。 同棲相手に苛つきながら、同じような一日を繰り返す日々ではありますが、 自分の仕事が年齢を重ねて体力が落ち …

2023年3月4日 /
書評
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書評「こんな日のきみには花が似合う」 優しい言葉と、かわいらしい絵

こんな日のきみには花が似合う 何だか高校生くらいの気持ちを思い出したくなって図書館のヤングコーナーをぶらぶら。 前から気になっていた著者名と、表紙の絵に惹かれ、借りてきました。 蒼井ブルーさんの文に、新井陽次郎さんの挿絵 …

2023年3月3日 /
書評
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書評「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」 再び踏み出すまでの試行。

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと (河出文庫) 著者はヴィレッジヴァンガードで店長を務め、2023年現在では高円寺にある「蟹ブックス」の 店主である花田菜々子さん。 タ …

2023年2月27日 /
書評
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BESS多摩に行ってきました

昭島のアウトドアパークビレッジ周辺を歩いていると、 何やらかわいらしい家が並ぶ一角を発見。 近寄ってみると一風変わった住宅展示場の様子。 思い切って入ってみました。 中には幾棟ものログハウス! この場所は、ログハウスを扱 …

2023年2月25日 /
おでかけ, 観光
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書評「猫を棄てる 父親について語るとき」 父子の距離感、端正な試み。

猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫) 村上春樹が、長い間、疎遠になっていた父の死を契機に、 父子の関係性や父の生涯について書いた名エッセイ。 一定の距離感や公平性を保ちつつ、時折、私的な思いが垣間見え、 その塩 …

2023年2月23日 /
書評
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