八王子市夢美術館で開催されている「ピーター・シスの闇と夢」に行ってきました。 ピーター・シスは、チェコスロヴァキア生まれで、現代アメリカを代表する絵本作家です。 日本だと、このチェコに生まれたという意味合いが伝わりづらい …
続きを読むペーパー・リリイ 結婚詐欺師の姪と、その詐欺師に騙された女、二人の旅路。 妙な関係性の二人は、性格もまるで違うし、女子高生と三十代で世代も違います。 この二人、ちょっと誤解を生みそうな言い方になってしまいそうですが、 私 …
続きを読む私の文学史: なぜ俺はこんな人間になったのか? (NHK出版新書 681) NHK文化センター青山教室での講義をもとにした本。 町田康の文学における原点や思考、幼い頃の記憶等を、かなり率直に語った内容でした。 しかし、そ …
続きを読むきみに贈る本 中日新聞・東京新聞での連載を書籍化した書評集。 中村文則・佐川光晴・山崎ナオコーラ・窪美澄・朝井リョウ・円城塔、6人の作家が、 9冊から10冊(うち1冊は自著)紹介しているのですが、 1冊あたり2ページ半ほ …
続きを読む完全犯罪の恋 ソール・ライターの写真を用いた表紙に惹かれ、手に取りつつも、 何だか田中慎弥らしくないタイトルだな、と思いました。 その印象は、序盤を過ぎた頃、いつの間にか消えていました。 芥川賞作家の著者本人を思わせる四 …
続きを読むクララとお日さま カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞後、第一作。 AFと呼ばれるAI人口知能を有したロボット・クララと、 彼女と共に暮らすことになった少女ジョジーの交流、二人を取り巻く人々との暮らしが描かれています。 …
続きを読む畏れ入谷の彼女の柘榴 私が学生の頃、後輩が舞城王太郎さんのファンでよく薦められました。もう二十年も前のことです。 当時は近代文学のゼミとサークル活動に忙しく、なかなか手に取ることが出来ませんでした。 それから随分と時は経 …
続きを読むラーメンカレー 芥川賞作家 滝口悠生の連作短編集。 ラーメンとカレーというこれ以上ないほどにポピュラーな食べ物がタイトルに並んでいるため、 勝手にほのぼのとしてポップな作品をイメージしていましたが、これがなかなか癖のある …
続きを読む両手にトカレフ ブレイディみかこさんによる小説。 ドラッグに依存する母と、幼く繊細な弟と共に暮らす14歳のミアが主人公です。 家は貧しく、頼りにはならない母の代わりに、彼女が弟の世話も一手に引き受けている現状。 そんな苦 …
続きを読む町田市民文学館ことばらんどにて、今日マチ子さんの展覧会がやっていると知り、行ってきました。 今日さんといえば代表作である『センネン画報』でその淡く綺麗で かわいらしい絵を知っている方も多いとは思いますが、 コロナ禍から少 …
続きを読む星に帰れよ 当時16歳にして文藝賞優秀作を受賞した新胡桃さんの作品。 描かれる学校生活は、普遍的な要素もありつつ、現代的。鋭敏な視点がリアリティを生んでいます。 肥大して凝り固まった自意識を抱え、その大きさも固さも自覚し …
続きを読む投げない怪物: 佐々木朗希と高校野球の新時代 甲子園と令和の怪物(小学館新書) 加筆と再構成の上で改題されているようですが、私が読んだのは加筆前のもの。 2019年夏の甲子園予選、岩手大会決勝で佐々木朗希投手が登板しなか …
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