ヨシタケシンスケさんのかわいい絵に惹かれて手に取った本ですが、
これが素晴らしかった!
わけあって地球に降り立った宇宙人に、おしごとそうだんセンターのおねえさんが
色々な仕事を紹介してくれるというストーリー。
この仕事がどれも楽しい絵と説明で、わくわくするようなもの、にっこりと笑みがこぼれるもの、
そして添えられたコメントにほんの少しアイロニーが効いているものもあって、
視覚的にも、言語的にも楽しめます。
いくつかの仕事が並んだ後に、ところどころ宇宙人とおねえさんの仕事を巡る遣り取りの場面が
描かれていて、これが思わずハッとさせられて、
自分の認識が凝り固まってしまっていることに気づく感覚がありました。
子供でも読めるような言葉で、子供にも理解できる内容だとは思いますが、
おねえさんの語りには大人の心にも感銘を与えるような光がありました。
個人的な話ですが、私は最近、人の相談を聞くということについて勉強しています。
それ故に、深く共鳴した部分はあるとは思いますが、
この本、とても素晴らしい本だと感じました。
絵の楽しさにわくわくしてページを捲っていると、暗く閉ざして固めていた自分の心が、
温かく開かれていくような読書体験でした。
よく大人にも子供にもおすすめ、という表現がありますが、
私はこの本こそ、まさにそういった一冊だと思います。