• 四十代夫婦が綴る書評と雑記
キラキラ (やなせたかしの名作えほん 5) [ やなせたかし ]

「アンパンマン」でお馴染み、やなせたかしの絵本。

朝ドラ「あんぱん」の影響もあっての復刊と思われます。

帯には今田美桜さん。

私はずっとこの作家のバイタリティと自意識を尊敬しています。

恐らく、ほのぼのとしたものを期待されることは多かったでしょうが、

この絵本に宿っているのは明確な問題意識であり、まるでアンパンマンが抱いている使命感。

この作家のタッチ、そして丁寧な色鉛筆での彩色だからこそ、

広い年齢層に伝えられるものがあるのだと思います。

人種や容姿で差別することを断じるストーリーは、短くも美しくまとまり、

それでいて子どもには気付きを与え、大人には自省の機会をもたらします。

勇気や治安を示し続けた作家が描く、勇気や治安を一旦疑うような内容。

多様性の時代より遥か前に描かれた絵本が今、復刊されるのは重大な意味を持っていると感じました。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です