みなさん、「ジョジョ」は読んでますか?
荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」は今も続く名作漫画。
2024年現在は第9部「The JOJOLands」がウルトラジャンプで連載中ですね。
ご存知ない方にはこの第〇部ってのが不思議な言い方かもしれませんね。
ジョジョの特徴の一つとして、部で分かれていて、その部ごとに
舞台も主人公も変わる点が挙げられます。
各部に相関関係はありますが、1部から読んでいないと以降の部が
まるで意味不明ということはありません。
現にアニメ化されたこともあり、例えば3部や5部のみしか内容を知らないという方も大勢いるはず。
ちなみに私は全て読んでおり、9部もコミックス最新刊までは読んでいます。
一番好きなのは7部で、好きなキャラクターはジャイロ・ツェペリです。
さて、前置きが長くなってしまいました。
この本はそんなジョジョのスピンオフ小説。
時系列的には3部と4部の間、舞台は日本のとある街です。
主な登場人物は表紙に描かれているホル・ホースと東方仗助。
あとはボインゴに東方良平、3部の人気キャラクターの親類も登場します。
仗助は4部の主人公ですが、ホル・ホースは3部の敵キャラクターなんですよね。
でも、何となく憎めない感じもあり、見た目もカウボーイの格好が魅力的で、
昔ゲームセンターで時々やった3部の格闘ゲームでも私の友人界隈では、
よく使用されていたイメージです。
そんな部を超えて人気キャラクターが共演するこの小説ですが、
正直なところ、私は地の文があまり好みではありませんでした。
スピード感はあるのですが、何となく助詞の使い方とかが感覚的に合わなかったんです。
にも関わらず、最後まで楽しく読み通せました。
きっと各キャラクターの解像度が非常に高いんだと思います。
ホル・ホースならこういう口調だな、仗助ならこういう行動をとるはず、ボインゴが成長したなら、
そういった読者のイメージを外すことなく活躍させてくれるんです。
個人的にはスピンオフ作品として、それが最も重要な部分だと感じます。
どれだけ美しい文だったり、優れた展開だったとしても、あのキャラクターはこんな風には
振る舞わないだろうなと感じたら、もうそこで興覚めです。
この小説にはそういったことが全くなくて、尚且つ、各キャラの心情が
3部と4部の間というタイミングということを加味されていながら自然に見えるのが素晴らしい。
漫画の隙間を見つけ出し、矛盾が可能な限り生じないように丁寧に描かれた一つの作品として、
原作ファンである私には非常に納得のいく小説でした。
正直なところ、ジョジョを読んだことがない方にはおすすめ出来ません。
ただ3部と4部を読んだことがある方には、おすすめしたいです。
原作者以外が物語を紡ぐことに拒否感がある方も多いでしょう、私もそういったところはあります。
でも、この小説はきっと大丈夫。
この小説の中で活躍するホル・ホースはちゃんと歳をとった彼であり、
仗助はちゃんと4部スタート前のさらに若い彼でした。
ジョジョランズの新刊が出るまでの間に手に取ってみてはいかがでしょうか。