北海道出身としては、ニセコにおける外国化、富裕な外国人しか遊びようのない物価の高騰
というのはとても気がかりでした。
ニセコやその近郊に住む人々はもちろんのこと、
道民にとってもニセコはレジャースポットであったはずなのです。
しかし、今では「選択」と「集中」の結果、
富裕な外国人にとって”は”暮らしやすい場所になりました。
本書ではそんなニセコを例にとり「選択」と「集中」、
そこに生じる選別や排除に分断を取り上げて、さらに広く対象をピックアップしていきます。
スターバックス、びっくりドンキー、ディズニーリゾート、
丸亀製麺、イトーヨーカドーといった身近だったり、お馴染みのスポット。
あとはヴィレッジヴァンガードやミヤシタパークといった
その変化を報道でも取り上げられがちな店やスポット。
経済学、社会学的な学びもあるが、この本の読みやすさの理由は取り上げられる場所が
多くの人々にとってイメージしやすいというところではないでしょうか。
なんなら、タイトルにあるニセコ以外は全て行ったことがあるという人が多いでしょう。
私が特に興味深く読んだのはヴィレッジヴァンガードについての記載。
若い頃は足繁く通ったものだが、年齢を経るにつれ訪れる頻度は減り、
たまに行くと何だか違和感を覚えるようになって、今では行かなくなってしまいました。
その言語化しないまま済ませてきた違和感がこの本ではしっかりと書かれてありました。
過去には株すら所有していたほど好きだったヴィレヴァンへの愛着が薄れたのは
私が年齢を経たことだけが理由ではなかったのだと改めて理解できました。
こうしたタイトルの本は、きっと文学を愛する人たちの目には触れることが少ないはず。
ただ、文学好きと重なるであろう、かつてのサブカル好きにはヴィレヴァンの件は、
特に面白く読めるのではないでしょうか。
思えば、ヴィレヴァンだって本屋だと自称しているし、
かつては私の住んでいた田舎に独自の価値観で文学を提示していました。
今もその店舗は営業しています。
短い帰省ではなかなか足を運ぶことは難しいのですが、再訪してみたくなりました。
薄れた独自性にガッカリするかもしれませんが……。