こんな有名な本を読まずに中年になってしまいました。
しかし、池澤夏樹が翻訳していることに惹かれ、ついに購入。
示唆に富み、考えは巡り、気づかされることも多い。
それは、よくわかるんです。
でも……なんだろう、入り込みきれない。
僅かながら、王子のことを
煩わしく疎ましく思う気持ちが、
心から消えないんです。
王子からすればきっと奇妙に感じられる生活が、
心の翳りを作っているのでしょう。
でも、きっともう消し切ることは出来ない。
染まり尽くす前に読むべき本なのかもしれませんね。
自分もまた王子が立ち寄る惑星の奇妙な住人なのだという
当然の事実に気付かされた感覚です。
旅する側ではなく、立ち寄られる側。
語る側ではなく、語られる側。
若いうちに読むべき本ってのは存在するんだと思います。
この本が若い誰かの心を救うと良いな、と漠然と感じました。
ちなみに、すっかりおじさんである私は漫画太郎の「星の王子さま」は全話読んでおりました。
色んな星に行くのは一緒だけど、内容が全然違う!
気になる方はこちらもどうぞ。
意外と長い力作でした。まぁ、感想は人それぞれ。もしかしたら原作ファンはお怒りになるかも……。