• 四十代夫婦が綴る書評と雑記

大ヒット中の「FILM RED」、みなさんはもう観に行かれましたか?

私は既に二回、行きました。

一度目はネタバレを食らうのが嫌なので、公開初日!

そして二回目はそれから二週間ほど空けてから。

さて、ワンピース考察系のYouTuberの方々が映画の感想を色々と動画にされていますが、

正直なところ、彼らはワンピースでお金を稼いでいるのですから、

その感想はどれだけ本音や率直と言ってみたところでバイアスがかからないわけがありません。

当たり前のことだと思います。

私は連載当初からファンであり、現役の少年ジャンプ購読者です。

そんな私が何故、二回観るに至ったか、その感想はどうだったのか。

この辺りを正直に、本音で記そうと思います。

私はただのワンピースファンであり、ワンピースでお金を稼ぐどころか、

グッズや書籍を買いあさっているくらいですから、本心で語ります!

まず初日に観た感想ですが、

「あ……うん、まぁまぁかな」といった感じでした。

興奮や感動より、困惑といった言葉が近いように思います。

期待を下回ったのではなく、期待していたものと全く方向性が違ったのです。

きっとワンピースファンに最も人気がある映画は「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」

ではないでしょうか?

初めて尾田先生が全面的に携わったこともあり、ファンの思い入れが強いのは当然ですが、

何よりワクワク感と、心を震わせるカッコよさがありました。

やっぱり少年漫画ファンとしては真っ直ぐな主人公が仲間のために、

明らかに格上な強敵に挑んでいくのが好きなんですよね。

そしてワンピース自体もこうした展開は幾度もあります。

アーロン、ルッチにカタクリ等々、ルフィが強敵に挑む姿に胸が熱くなります。

では「FILM RED」はどうか?

明確に異なります。

公開からかなり経っているとはいえ、ネタバレを嫌う気持ちは十分わかりますので、

詳述は避けますが、描かれるルフィの姿にも困惑の色が滲んでいました。

観終わって消化不良の私の横で、同行者はとても感動していて、

感想の温度差が著しかったことを覚えています。

職場でもワンピースが大好きだと認知されている私は、

「FILM RED」の話をよくふられました。

相手も鑑賞済みだったり、相手のお子さんが鑑賞してきたという話だったり。

そうして話していると、感動の熱量に異常な差があることに気づきました。

不思議なことに「まぁまぁだったね」位の温度感で話している人は熱烈な読者であることが多く、

「すごく良かった、泣いちゃいました」と話している人は家族の付き添いで行ったり、

何となくヒットしているから観に行ったという、ワンピースファンとはいえない人が多かったのです。

普通は逆ですよね?

アニメの映画化で、評価が分かれるものって、ファン以外を置き去りにするような描写で、

ファンしか理解できなかったりすることが多いように思います。

しかし「FILM RED」に関しては私の周りでは、それが逆転していたのです。

感想を聞くうちに私は好意的に感想を話している方々が、ルフィよりヒロインであるウタのことを

熱っぽく話していることに気づきました。

私のように長年のファンは自分が望む「ONE PIECE」の展開があるのに対し、

それほどファンでもない人たちはもっとフラットにストーリーを楽しみ、ウタという存在に、

しっかり感情移入していたのです。

それに気づいた私は、途端に自分はこの映画の面白みを全く理解しないまま、

心を閉ざして劇場を出てしまったのではないかと、不安になりました。

そして二度目の鑑賞に向かうことにしたのです。

では、その二回目の感想はどうだったのか。

……むちゃくちゃ面白かったです!

映画が始まる前に「この映画の主人公はルフィではなくウタ」と自分に言い聞かせました。

そうしないと初日の二の舞です。

ウタに着目してみると、この映画は初日とはまるで違うものになって、

強烈に感情を揺さぶる作品に変わったのです。

これが長年のワンピースファンである私の得た教訓のようなものでした。

ファン故に固定観念を作り上げて、期待の方向性を決めつけてしまっていたのです。

期待を下回ったのならば仕方ありません。映画ですから出来不出来があります。

しかし、期待の方向性と違った時にそれを受け入れて素直に楽しむ方が、

ずっと有意義ですし、作品とも向き合えます。

「ONE PIECE FILM RED」は面白いです。

ただし、もしかしたら長年のファンにとっては期待していたものとは違うかもしれません。

しかし、決して面白くない作品ではないのです。

もしも行くのを迷っているファンの方がいましたら、私の感想を参考にして、

映画を楽しんでいただけると幸いです、


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