人気作家・益田ミリによる、ランチレビュー……というより、ランチタイムレビューって感じです。
時には高級店でゆっくりと、時にはテイクアウトして自宅で、あるいは自ら腕を振るい料理。
なぜテイクアウトや手料理も含まれているかというと、
やはり連載期間にコロナ禍が含まれているということが大きいのでしょう。
そこにあまり暗い要素は入らぬよう描かれていますが、
それでもあの頃は食事のとり方にかなり気を遣っていた人々が大半のはず。
誰にも正解がわからず、そもそも正解があるのかも不明なまま、日々を送っていましたよね。
ランチメニューの描写、食べている時間
食べに来ている人々の様子。
肩の力が抜けるようなリラックスした気持ちで読めますが、
あぁ、この頃は緊急事態宣言の頃かな。あ、この頃になると少し状況が良くなってきた辺りかな。
そんな風にあの数年を思い出しながら、読んでみるのも感慨深かったです。
休みの日にどこかでのんびりランチ、なんてのが幸せなことだと今は知っています。
当たり前だったことが当たり前ではなくなった頃を経験しましたからね……。
たまには益田さんのようにどこか食事を目的に出かけようかな。
そんな風にランチの楽しさを思い出す一冊でした。