好きな作家の一人、白石一文の小説。
柄本佑が主演で映画化もされました。
肉欲に溺れる二人の姿は、根本的な生への希求のようにも見えつつ、
何かから目を逸らすように古い思い出も込みでまぐわっているようにも見えます。
そうして読み進めると、その二つの事柄は実のところ、
そんなに遠いところにあるわけでもないような気がしてきます。
私の感覚だと、白石一文の小説には乾きも湿り気もあって、
その湿度の上下に引き込まれることが多いです。
今作もやっぱりそうでした。
この小説は、2012年11月に単行本刊行。
東北大震災の落とした影が色濃く作品を覆い、やがて二人の行く末をも大きく左右する。
ほぼ全編に渡り、性描写が織り込まれているので、読む人を選ぶかもしれませんが、
そういった内容に抵抗がない小説好きにはおすすめしたいです。