一冊で完結していますので、必ずあとがきまで読んで欲しい漫画です。
作者は「惡の華」「血の轍」等で有名な押見修造。
先生に指されても、クラスメイトに話しかけられても、
どうにも自分の名前が言えない女子学生が主人公。
読んでいると、心がじわじわと
締め付けられていく感覚があります。

スラスラと言葉が出てこない経験をしたことがある方、きっと多いでしょう。
でも、そんな方々もまた、誰かが言葉に詰まるのを見て
イライラした経験もあるのではないでしょうか?
私はそうでした。
自分だって似たような経験をしたことがあるのに、
人が同じようにまごまごしているとイライラしてしまった……。
志乃ちゃんみたいな人を常に温かく見守っていられるかというと、自信が無いのが正直なところ。
読んでいて、自分の狭量さに気付かされるような体験に戸惑いました。
この本を買ったのは発売当時、2013年初冬。
久々の再読です。
きっと悩んでいる誰かの心を
少し締め付けた後に緩く解いてくれるような一冊だろうと思います。
あるいは誰かの視野を広げるような漫画でもあるはず。
個人的には今回、10年以上経っての再読で、
より内容を素直に受け止められた気がしました。
きっとまだ若い時には、自分の心の狭さに向き合うのが恐ろしかったのだと思います。
今も恐ろしいのですが、その恐怖の理由を考えて自分の在り様を省みる機会が
人生には時々は必要だとは感じています。

