• 四十代夫婦が綴る書評と雑記


ルビンの壺が割れた(新潮文庫)
 宿野かほる

公園のベンチで座って読んでいたら、先が気になって、ついつい長居。危うく風邪をひきかけました。

往復書簡の形式を取った小説です。

ちょっと例えが古いですが「木綿のハンカチーフ」みたいな形式ですね(笑)。

ネタバレを避けようとすれば、

多くを語ることは出来ません。

読みやすい文体と、ところどころ引っかかる表現、

しかし、この作品はミステリーではないので犯人捜しのために

思考を巡らす必要も無いし、ましてや遡って引っかかりの正体を探る必要もありません。

先入観と違和感を、敢えて自分の中に

抱いたまま読み進めれば、きっと楽しめます。

さほどページ数が多い作品ではないが、

続きが気になって次々と捲ってしまうはずなので、

一気に読み切れる時間がある時に

手に取るのがおすすめです。

私のように、うっかり寒空の下で読み始めてしまうと、

もう少しもう少しと進めるうちに、身体の芯が冷え込んでしまいますよ。


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