何だか高校生くらいの気持ちを思い出したくなって図書館のヤングコーナーをぶらぶら。
前から気になっていた著者名と、表紙の絵に惹かれ、借りてきました。
蒼井ブルーさんの文に、新井陽次郎さんの挿絵が入った作品。
若いカップルの約一年の日々を追うように、数日おきではあるものの日記形式の文に、
インスタグラムのようにスクエア状の絵が添えられていて、その絵がとても魅力的です。
てっきり高校生か大学生くらいのカップルの話だろうと思い込んで読み始めたら、
入社数年くらいの社会人カップルの話でした。
この新井さんの絵、小説好きの方なら何となく目にした記憶があるかもしれません。
森見登美彦原作のアニメ映画「ペンギン・ハイウェイ」のキャラクターデザインを手がけた方です。
私はもういいおじさんなので、作中に書かれているような甘く爽やかな感情は記憶の彼方ですが、
かなり好感をもって、二人の若者の恋愛模様を楽しく読みました。
誰かののろけ話的な日記なんて読んでられねぇや、って気分にもなりそうなものですが、
応援するような気で読んだのは、この二人が誠実で好ましい人物だからだと思います。
文と絵がしっかりと手を携えているような、かわいらしい本でした。