• 四十代夫婦が綴る書評と雑記
文庫 プロレタリア芸人 (扶桑社BOOKS文庫)

よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の芸人、ソラシド本坊元児の苦しいアルバイト生活を書いたエッセイ。

私が本坊さんを知ったのは、とろサーモン村田さんが撮ったドキュメントタッチの本坊さんの私生活映像が

テレビ番組で少しずつ流され始めた頃だったと思います。

2013年前後でしょうか、「芸人報道」等、見ていました。

上背があって瘦せ型の風貌で、汚れた作業服を着て、世を呪う愚痴を言うその様は、

悲しいけれども笑えて、芸人という職業の影を示しているようで魅力的でした。

今となっては、あまりテレビに出ていない芸人でもYoutube等で稼ぐ例は多いようですが、

当時はそういった文化は無かったはずです。

土木作業員や大工として日々、身体と精神を擦り減らしながらの暮らしは、

当然ながら実体験であるため、強烈なリアリティとインパクトを持っています。

タイトルに紛うこと無き描写が続く中、芸人としてのツッコミには知性があって、

言葉を選ぶセンスは流石です。

趣味を作ろうとする様、麒麟の川島、笑い飯の西田といった芸人仲間との交流の様子、

労働以外の場面も面白くて、この本が芸人によって著されたものであることを強く感じます。

私は時々、本坊さんのYoutubeを幾度か見たことがありますが、

現在、ソラシドは、よしもと山形県住みます芸人として活躍されています。

その事実に心底、ホッとします。

この本を読むと、それくらい本坊さんの芸人としての生活が上向くことを祈りたくなるのです。

日々の愚痴や怨嗟のようなものが散りばめられた本書ですが、

それでも尚、心身を奮わせて生きていく様はかっこよくて、応援したくなりました。

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