渋谷直角といえば、雑誌「relax」で活躍し、その後、漫画家としても知られるようになったライター。
「relax」がインテリアとしても機能するくらいに支持されていた頃は覚えています。
そして、廃刊も復刊も記憶にあります。
買ったことはありませんが、おしゃれな先輩の家には置いてありました。
他の雑誌とは毛色が違う独自の路線はカッコ良かったのでしょうが、
当時の自分にはあまり必要ではありませんでした。
多分あの頃には存在したサブカルチャーの空気感は、今ではもう無いのだろうと思います。
少しファン層は違うかもしれませんが、ヴィレッジヴァンガードの品揃えの変遷を見ていると感じますね。
それが良いとか悪いとかってことはわかりませんが、選択肢が減るのは寂しいことです。
ただ、雑誌のように何かを示してくれるものが無くなったって、日々は続くのだし、
自分で好きなものを選び取って過ごしていけば良いのでしょうね。
この本を読むと、そんな風に思います。
時にはあえて面倒なことにも巻き込まれてみたり、興味深いものを遠巻きに見たり、
そうして紡がれる文章は軽やかで面白い。
ちょっと変わったものを見つけるうまさ、どういうところが変わっているのかを言語化するうまさ、
そういったものを感じさせつつ、
まさにリラックスして読める一冊でした。