私もまさに40歳の壁ならぬ”40代”の壁にぶち当たり中なのですが、
この壁って、なかなか言語化が難しい。
なんとなく違和感がある、なんとなく心身のバランスがとれなくなってきた、
といった感覚はあっても、それらを対外的にはもちろんのこと、
自分に対しても有耶無耶にしてしまって、
加齢による体力低下の枠に強引に捩じ込んでしまったりしませんか?
この本では、著者が壁を認識した過程、その時の状況、心情がしっかりと書かれています。
そして、状況を変えるために移した行動と、その際に感じていた想いも語られています。
この感情面が面白い。
メソッドを示すだけじゃなく、そこに人間性が見えるから
読んでいるのと同時に、語られている感覚があります。
想いを言語化するというのが、きっと壁に向き合い分析するということにも繋がるのでしょうね。
自分業という言葉で、仕事を通した時間や人間関係、お金等について
書かれている著者の新たな生き方は充実していて、それでいて許容量にも気が配られています。
キャリアデザインというものは日本では
社会人になる10代から20代で重視されてきたように思いますが、
もっと人生全体において考え続けられて然るべきですよね。
自分のことを考えながら、それでいて眉間に皺を寄せるような硬い気持ちではなく
素直に柔らかな心地で読める一冊でした。