ヨシタケシンスケさんによる、人生について穏やかに見つめ直すことができる絵本。
人生の諸々を、あるいは人生自体をゲームに例えるって聞くと、
なんだか諦めや冷たさのようなものを連想してしまいます。
そんな方、けっこういらっしゃるんじゃないでしょうか?
でも、この本で提案されるゲームはとても優しくて、時々皮肉っぽくて、
諦めるよりも受け入れて、それでも負担のかかりづらい程度の逞しさで生きる遣り方に思えます。
諦めることと、受け入れることや遣り過ごすことはきっと大きく違って、
そのことを優しく示してくれているようです。
この本がうまくいかない人生や苛々する日常に、疲れてしまった人に届いて欲しい。
そんな風に、師走の冷たい空気に触れて思いました。
穏やかに、少し微笑みながら読み進めると、弱っていた心をグッと抱き寄せられる感覚もあって、
この控えめなサイズの絵本がたまらなく大切に思えるし、
自分自身のことだって大切だということを思い出しました。
そして、自分を大切にしてくれる人のことも大切にしたくなりました。
優しい誰かの心が少しでも軽くなり、少しでも穏やかになることを祈ってお勧めしたいです。