ルビンの壺が割れた(新潮文庫) 宿野かほる 往復書簡の形式を取った小説です。 ちょっと例えが古いですが「木綿のハンカチーフ」みたいな形式ですね(笑)。 ネタバレを避けようとすれば、 多くを語ることは出来ません。 読みやす …
「熱帯」森見登美彦。 誰も最後まで読んだ者のいない「熱帯」という小説。 この「熱帯」を手にしたことのある作家の森見氏は沈黙読書会という催しにて、 作品の秘密を知る一人の女性と出会う。 彼女が語る「熱帯」の秘密を追及する集 …
リンク リンク 「ブラザーズ・ブラジャー」佐原ひかり。 タイトルから先入観で、LGBTに関わる内容と 思い込んで読み始めました。 実際にはそうした思い込みをも踏まえた、 許容や寛容、認識や理解の少し奥にある感情に、 柔ら …
「ホワイトラビット」伊坂幸太郎。 大河ドラマ「どうする家康」での印象的なフレーズ”白兎”を耳にして、 この小説を思い出したので、ご紹介します! リンク 仙台で起きた人質立てこもり事件。 しかし、立てこもりが起きるに至った …
「ジャクソンひとり」安堂ホセ。文藝賞受賞作にして、芥川賞候補作。 ページを捲るにつれ、ストーリーは暗く潜り、スピードを増していく。かつて村上龍が「限りなく透明に近いブルー」で踏み込んだような、ギラリと鈍く光る場所に連れて …
「絵描きの植田さん」いしいしんじ。自然の美しさ、険しさ、厳かさが描かれているが、語りの言葉は優しい。 リンク 湖の近くで営まれる好ましい人々の冬の暮らしは、羨ましく感じます。オシダさんという男が出てきますが、この人物がと …
「かか」宇佐見りん。 母への張り詰めた想いが濁流のように苛烈に書き綴られた、独白の形をとった小説。 リンク 母のみならず家族の描写は、負の部分をしっかりと見せていて、読んでいて辛くなります。 すれ違いやぶつかり、あるいは …