• 四十代夫婦が綴る書評と雑記

書評「まず、ちゃんと聴く」 部下との面談に悩む上司に。

まず、ちゃんと聴く。 [ 櫻井 将 ] タイトルにある「まず」と「ちゃんと」の意味を感じ取ることが出来る本。 万人におすすめの内容かというと、やや難しい部分もあり、頷きづらい感もあります。 しかし、この本を必要とする人は …

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書評「老人ホームで死ぬほどモテたい」 意表を突く動揺と感動。

老人ホームで死ぬほどモテたい (新鋭短歌シリーズ 59) [ 上坂あゆ美 ] SNS等でよく目にする機会があった上阪あゆ美さんの歌集。 インパクトのあるタイトルが記憶に強く残っていて、手に取りました。 冷めた心や眼差し、 …

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書評「おしごとそうだんセンター」 まさに大人にも子供にも

おしごとそうだんセンター [ ヨシタケ シンスケ ] ヨシタケシンスケさんのかわいい絵に惹かれて手に取った本ですが、 これが素晴らしかった! わけあって地球に降り立った宇宙人に、おしごとそうだんセンターのおねえさんが 色 …

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書評「スモールトーク」 気持ちの表現に惹かれる

スモールトーク (角川文庫) [ 絲山 秋子 ] この小説における絲山秋子の、留まろうとする気持ちと流される気持ちの表現がすごく良いんです。 意地や矜持、直感や理屈、色んなものが混ざり合って、心も体も動き、言葉は選ばれる …

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書評「怪物園」 グロテスクでかわいいという感覚

怪物園 (福音館の単行本) [ junaida ] 子供、特に男の子って、怪物や怪獣、妖怪等々、ちょっとグロテスクで恐いものがやけに好きですよね。 いや、鬼太郎やモンスターズ・インクが世代を超えて愛されているのを見ると、 …

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書評「黄金列車」 世界観の堅牢さ

黄金列車 (角川文庫) [ 佐藤 亜紀 ] 戦争という大きなもので見えなくなりがちだけど、 その内側や裏側では個々の意地や諦念、虚無感に使命感、執着、 挙げ切れないほどの感情が当然あります。 軍人も文官も市井の人々も。 …

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書評「引き出す力」 コミュニケーションに悩む人のヒントになり得る良書。

引き出す力 相手が思わず話してしまうひとつ上の「聞く力」 「プロ論」シリーズで知られる上阪徹さんの著書。 個人的にコミュニケーションや面談について考える機会が多かったため読んでみましたが、 時に実際に起きたことを交えて書 …

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書評「東京都同情塔」 文学は生成AIを内包する。

東京都同情塔 [ 九段 理江 ] 第170回芥川賞受賞作。 パラレルな未来の東京が舞台だけれども、 その東京は想像し得るものです。 ザハ・ハディドの設計した国立競技場が実際に建てられた景色。 きっと多くの方はあの完成予想 …

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書評「星の王子さま」 適齢期に読むべき作品。

星の王子さま (集英社文庫(海外)) [ サンテグジュペリ ] こんな有名な本を読まずに中年になってしまいました。 しかし、池澤夏樹が翻訳していることに惹かれ、ついに購入。 示唆に富み、考えは巡り、気づかされることも多い …

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書評「死んでいない者」 冷ややかなまでに淡々と。

死んでいない者 (文春文庫) [ 滝口 悠生 ] 滝口悠生の芥川賞受賞作。 通夜に集まった親族たち、あるいは来なかった親族も描いた作品にこの秀逸なタイトル。 死んだ者ではなく、死んでいない者に焦点が当たります。 しかし、 …

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書評「17歳のポケット」 老いる自分と老いないかまち。

17歳のポケット (集英社文庫(日本)) [ 山田 かまち ] ふと若い熱情みたいなものに触れたくなって、書店をぶらぶらしていて見つけた 山田かまち「17歳のポケット」の新装版。 きっと多くの方が学生の頃に何らかの形でそ …

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書評「ポテト・スープが大好きな猫」 良い塩梅の絵本。

ポテト・スープが大好きな猫 [ テリー・ファリッシュ ] おじいさんと雌猫の穏やかな暮らしを描いた絵本。 翻訳は村上春樹。 かわいらしい表紙と、翻訳者の名前に惹かれて手に取ると、 内容がなんとも良い塩梅なんですよね。 劇 …

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