少女を埋める (文春e-book) 桜庭一樹の自伝的小説集。 三篇収められており、表題作「少女を埋める」があって、 その作品を巡る騒動の顛末と日々の心情を描いたような「キメラ」と「夏の終わり」が続くような構成。 「少女を …
自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体 (講談社現代新書) ドラマ「VIVANT」盛り上がってますね! この記事を書いている現在、第四話まで放送されていますが、めちゃくちゃ面白い。 そのスリリングな展開の中、気になる …
ハンチバック (文春e-book) 市川沙央による第128回文學界新人賞受賞作、そして第169回の芥川賞受賞作。 文學界に掲載された時点で、既に注目されていたと記憶しています。 理由は二つ。一つはこの作品が強靭な当事者意 …
クジラアタマの王様(新潮文庫) 随分コロナ禍を直接的にモチーフに使うんだなぁと読み進めて、 ふと奥付を見ると、2019年7月5日が初版。 コロナで世界が騒然とし始めるよりずっと先にこの小説を書いていたのかと思うと、 感服 …
デッドライン(新潮文庫) 先日発表された第169回芥川龍之介賞でも「エレクトリック」で候補となった千葉雅也の初小説。 芥川賞候補には三度なっていますが、この「デッドライン」も候補作品でした。 作品と作者は分けて考えられる …
ここは 最果タヒの初絵本。 絵は100%ORANGEの及川賢治。 視点が大きく広がったり、別の角度で見ることに気づく素敵な絵本でした。 とはいえ、そんなのは大人の感想であって、 この絵本の良いところは、当然のように子ども …
文庫 プロレタリア芸人 (扶桑社BOOKS文庫) よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の芸人、ソラシド本坊元児の苦しいアルバイト生活を書いたエッセイ。 私が本坊さんを知ったのは、とろサーモン村田さんが撮ったドキュメ …
犬のかたちをしているもの (集英社文庫) 今や芥川賞作家となった高瀬隼子のデビュー作であり、第43回すばる文学賞受賞作。 セックスレス状態だった恋人が金を払ってセックスし妊娠させた女性から、 これから生まれてくる子どもを …
人間みたいに生きている 佐原ひかりの三作目。 全三冊、読んでの感想として、この作家の小説はフェアだなと思いました。 小説というものは大抵、語り手か視点人物に寄り添って書かれているものが多いと思います。 一人称であれば語る …
シンジケート[新装版] 1990年に出版された穂村弘の第一歌集が2021年に新装版となって再出版。 この新装版は表紙の絵がヒグチユウコ、装丁は名久井直子、解説は高橋源一郎、といった超豪華メンバー。 私が初めて穂村弘という …
奇跡のバックホーム 阪神タイガースを背負って立つ選手になるはずとファンから将来を嘱望されながら、 脳腫瘍との闘いにより、プロ野球選手としてのキャリアを6年で終えることとなった横田慎太郎の本。 素直な想いと言葉で綴られる闘 …
こんとん 中国神話に登場する「渾沌」の伝説をもとにして、 文を夢枕獏、絵を松本大洋が手がけた絵本。 40代の私にとって、松本大洋は学生時代からのヒーローです。 大学に入り、地元では知らなかった価値観や嗜好に触れて、大きく …