書評「テクノカットにDCブランド」 サブカルの雄が書く迷走の日々。
- 2023年5月1日
- とら
テクノカットにDCブランド サブカルの雄、みうらじゅんさんが自らの迷走の時代を書いたエッセイ。 雑誌「コンティニュー」に連載されていただけあって、中盤までは若かりし頃を ファミコン等のゲームの思い出と共に振り返っている内 …
書評「とあるひととき」 あたたかな挿絵と作家の私生活。
- 2023年4月28日
- きりん
とあるひととき: 作家の朝、夕暮れ、午後十一時 14名の作家の「朝」「夕暮れ時」「午後11時」について書かれたエッセイです。 それぞれの作家さんならではの視点で描かれたひとときの描写と、 あたたかな挿絵で、ほっと心が和み …
書評「秋田さんの卵」 漠然とした不安に小さな光を灯す
- 2023年4月24日
- とら
秋田さんの卵 伊藤たかみ「ボギー、愛しているか」「秋田さんの卵」の二編を収録。 この作家は書いているものの面白さに比して、随分と過小評価されていないだろうかと 私は常々思っています。 芥川賞作家に対して過小評価という言葉 …
書評「死にたい夜にかぎって」 情けなくも逞しい日々の回想。
- 2023年4月23日
- とら
文庫 死にたい夜にかぎって (扶桑社ＢＯＯＫＳ) 日刊SPA!での連載に加筆修正した爪切男のエッセイ。 アスカという女性との６年に渡る多難な同棲生活を中心に、 過去に出会った女性、夢を忘れて忙殺される日々等を書いています …
書評「漱石漫談」 漱石のへんてこなところまで楽しむ。
- 2023年4月18日
- とら
漱石漫談 日本で一番有名と言っても過言ではない作家、夏目漱石の著作を漫談形式で論じる文学評論。 いとうせいこうと奥泉光のコンビが開催している講演「文芸漫談」から漱石作品を扱った回を集めた本です。 私は学生時代、文学部で学 …
書評「おもろい以外いらんねん」 括られて見えづらくなるものの可視化。
- 2023年4月10日
- とら
おもろい以外いらんねん 主な登場人物は高校の同級生だった三人。 プロの芸人としてコンビを組む二人と、彼らをテレビや配信越しに見つめる一人。 お笑い芸人を小説の題材として据えるのはとても難しいことではないかと思う。 有名な …
書評「プチ哲学」 気楽に穏やかな気持ちで新しい考え方に踏み出す。
- 2023年4月7日
- とら
プチ哲学 (中公文庫) 著者の佐藤雅彦さんは、私のような四十代の人にとっては 「ポリンキー」「バザールでござーる」等を手がけた方と言えばピンとくるかもしれません。 懐かしいですよね、NECのCM！ 「だんご三兄弟」のプロ …
書評「ランディ・メッセンジャー すべてはタイガースのために」 阪神の元エースは向上心の塊。
- 2023年4月5日
- とら
ランディ・メッセンジャー～すべてはタイガースのために 2019年シーズンをもって引退した阪神タイガースの元エースが、2018年に書いた本。 私は小学生からの大の阪神ファンで、甲子園球場にてランディ・メッセンジャー（愛称メ …
書評「一億円のさようなら」 分厚いが軽快に読める大傑作。
- 2023年3月30日
- とら
一億円のさようなら (徳間文庫) 文庫でも665頁もある白石一文の大作。 20年も連れ添った妻が34億円もの遺産を相続していたことを知った中年男性が主人公。 遺産はほぼ手つかずだが、そのうち2億円のみ株式に投資され、高騰 …
書評「推し、燃ゆ」 現代的でありながら伝統的でもあるモチーフ。
- 2023年3月19日
- とら
推し、燃ゆ 宇佐美りんによる第164回芥川賞受賞作。 私の身の回りにも、”推し”という言葉を使う人は数名いて、 その対象は男性アイドルであることが多いです。 同僚や友人からその推しについての熱弁を聞くのは、 存外楽しいん …
書評「祐介・字慰」 夢に縛られた日常で光るもの
- 2023年3月13日
- とら
祐介・字慰 (文春文庫) ロックバンド、クリープハイプのボーカルである尾崎世界観の初小説。 「祐介」文庫化に際し、短編「字慰」も併録。 まず「祐介」は私小説風に書かれた作品で、尾崎世界観の本名が「祐介」であることは、 踏 …
書評「孤独を生きる」 教養と知性の力
- 2023年3月11日
- きりん
孤独を生きる (PHP新書) 昨今、現代人の「孤独」が大きな問題になっていると言われていますが 孤独は本来、人を成長させるのに必要な時間。 身近なところでは試験勉強がありますが、 偉大な業績を成し遂げた先人たちにも、 孤 …
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