ブラックボックス 砂川文次の芥川賞受賞作。 主人公のサクマは自転車に跨り、メッセンジャーとして生計をたてています。 同棲相手に苛つきながら、同じような一日を繰り返す日々ではありますが、 自分の仕事が年齢を重ねて体力が落ち …
こんな日のきみには花が似合う 何だか高校生くらいの気持ちを思い出したくなって図書館のヤングコーナーをぶらぶら。 前から気になっていた著者名と、表紙の絵に惹かれ、借りてきました。 蒼井ブルーさんの文に、新井陽次郎さんの挿絵 …
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと (河出文庫) 著者はヴィレッジヴァンガードで店長を務め、2023年現在では高円寺にある「蟹ブックス」の 店主である花田菜々子さん。 タ …
猫を棄てる 父親について語るとき (文春文庫) 村上春樹が、長い間、疎遠になっていた父の死を契機に、 父子の関係性や父の生涯について書いた名エッセイ。 一定の距離感や公平性を保ちつつ、時折、私的な思いが垣間見え、 その塩 …
夫婦でFIRE グミ&パン ご夫婦でFIREを目指し達成する過程を、細かく、そしてわかりやすく 書いたFIRE入門本。 普段は小説を読むことが多いですが、昨今の経済状況に不安を感じ、 この本を手に取ってみましたが、とても …
ルビンの壺が割れた(新潮文庫) 宿野かほる 往復書簡の形式を取った小説です。 ちょっと例えが古いですが「木綿のハンカチーフ」みたいな形式ですね(笑)。 ネタバレを避けようとすれば、 多くを語ることは出来ません。 読みやす …
「熱帯」森見登美彦。 誰も最後まで読んだ者のいない「熱帯」という小説。 この「熱帯」を手にしたことのある作家の森見氏は沈黙読書会という催しにて、 作品の秘密を知る一人の女性と出会う。 彼女が語る「熱帯」の秘密を追及する集 …
リンク リンク 「ブラザーズ・ブラジャー」佐原ひかり。 タイトルから先入観で、LGBTに関わる内容と 思い込んで読み始めました。 実際にはそうした思い込みをも踏まえた、 許容や寛容、認識や理解の少し奥にある感情に、 柔ら …
「ホワイトラビット」伊坂幸太郎。 大河ドラマ「どうする家康」での印象的なフレーズ”白兎”を耳にして、 この小説を思い出したので、ご紹介します! リンク 仙台で起きた人質立てこもり事件。 しかし、立てこもりが起きるに至った …
「ジャクソンひとり」安堂ホセ。文藝賞受賞作にして、芥川賞候補作。 ページを捲るにつれ、ストーリーは暗く潜り、スピードを増していく。かつて村上龍が「限りなく透明に近いブルー」で踏み込んだような、ギラリと鈍く光る場所に連れて …
「絵描きの植田さん」いしいしんじ。自然の美しさ、険しさ、厳かさが描かれているが、語りの言葉は優しい。 リンク 湖の近くで営まれる好ましい人々の冬の暮らしは、羨ましく感じます。オシダさんという男が出てきますが、この人物がと …