• 四十代夫婦が綴る書評と雑記
「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか (新潮新書) [ 三宅 香帆 ]

話題作連発の三宅香帆さんの、タイトル通りの一冊。

ここでいう面白いは、「笑える」ではなく「興味深い」の方。

アウトプットに優れる人間が持っているであろう、

インプットの仕方のコツを身につけようという内容ですね。

考え方が示された後は、多くの実践例が並びます。

この実践例は著者による連載やnoteから。

そういうわけで著者らしく夥しい量のコンテンツが評されているのですけれども、

この興味の範疇が著者と被っていればいるほど当然楽しめるはず。

ここからは私の日頃の感覚なのですけれども、

このタイトルにある「面白い」ってのがすごく曲者ですよね。

社会に飛び出すと、面白い、つまり興味深い話を楽しむ余裕がなかなか無くなっていくと思うのです。

興味深い話を聞く機会も減るし、

自分が興味深いと思う話を披露する相手も場も見つけづらくなる。

あれ、結局これって著者のヒット作

「なぜ働いていると本を読めなくなるのか」に繋がっていくよなぁ、なんて思うわけです。

世の中は興味深いものに手を伸ばす時間が無いくらいに忙しないし、

ましてや誰かと興味を共有してみる余裕はなかなか無い。

そんな中で意外と手放しで面白いと思える話題って、

大谷のホームランとか、りくりゅうの金メダルについてだったりしますよね。

多くの人が興味よりも感動や感嘆で繋がれるものですし、

一瞬の衝撃、目を引く映像がポイントにもなります。

そういう時代では、話の面白さってのは、互いの状況や余裕にもよるから、

難しいよなぁなんて本書の内容から離れてモヤモヤと考えてしまったりしました。

きっとそれは世間もさることながら、自分に余裕が無いからなのかもしれません……。


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