私のような中年の方にとって、ヤンキー漫画ってすごく馴染みのあるものだと思います。
好きな作品でいうと「クローズ」「WORST」「ろくでなしBLUES」、
スポーツものにヤンキー漫画の要素が混ざっているものだと「ROOKIES」、
あと「SLAM DUNK」もそうですよね。
私が学生時代を送った町にももちろんヤンキーはたくさんいました。
ヤンキーは嫌いですが、ヤンキー漫画は好きなんですよね。
なんでしょう、嫌悪感はあるのに、その生き方にどこか憧れみたいなものもあるんだと思うんです。
いや、まぁ憧れの対象はやっぱり漫画の中でしっかり筋を通している坊屋春道や前田太尊たちであって、
実際のヤンキーってのはそんなにかっこいいもんでもないんでしょうけど。
そういうわけで潜在的にあるヤンキーへの複雑な思いを整理したく、
手に取ったこの本ですが、まぁ、うーん……。

こうした新書にはよくあることなのかもしれませんが、とにかく引用が多い。
そのため、一つの論に触れ切ったという感覚は薄いです。
ヤンキー漫画に関する言及は多いですが、根本でそれらに対する愛着がないことが伝わるような文章であり、
幾つかのヤンキー漫画の愛読者としてはどことなく不愉快に感じました。
終盤、イギリスのラッズ・カルチャーと日本のヤンキー文化の比較は面白かったです。
ただ、本書全体は広範かつ体系的に時系列も踏まえてヤンキー文化を論じようとした結果、
引用だらけで論点がぼやけたように個人的には思いました。
消化不良、シケた気分。
ヤンキー漫画でも読んで、スカッとしたくなりました。

