2026年本屋大賞の「発掘部門」受賞とのことで、
最近よく書店で見かけるようになったこの本ですが、
実は2000年に出版されたものです。
26年もの時間を経て再注目されているこの本、
私が随分昔に手に入れたものは活字が青で印刷されていますが、
最近になって書店に並んでいるものは黒で印刷されています。
個人的には青い文字が文章の持つ雰囲気に似合っていて良いと思うんですけどね……、
とはいえ、内容の魅力が薄れるわけではありません。

全て二ページの、ちょっと不思議なホラ話。
笑みが溢れるようなもの、少し考え込んでしまうもの、色々な味わいですが、
どれも嫌な気持ちにならないんです。
だから、カバンに突っ込んで、電車で、ベンチで、パラパラと数篇読むような、
日々持ち歩くのにぴったりな一冊。
書かれている内容ですが、不思議なアイテムに関わる話が多い印象ですね。
それらが実在するか否か、なんてのはどうでも良くて、
二ページで余韻を残す完結がなされていることが魅力なんです。
深く深く考え込むような重さではなく、誰かを軽々しく傷つけるような浅はかさもない。
随分昔に発表されたものですが、
今の時代にもこの二ページの小さな温かさがしっくりくるタイミングは多い。
いや、もしかしたら世の中の風潮や、世界情勢を考えると、
今の時代の方がむしろ人々の心に浸透しやすいかもしれません。
だからこそ再注目されているのでしょうね。
活字離れという流れとは別に、
長く続く言葉を受け止めきれない時だってあると思うんです。
そういう状況にある人にとっても、楽な気持ちで鞄に入れておけるような本だと感じます。

