私の世代的に横浜といえば濱マイクと頭に浮かびます。
最も好きな俳優が永瀬正敏ということもあり、映画版もテレビドラマ版も大好きです。
当然、ハードボイルド小説の主人公マイク・ハマーをもじったネーミングですが、
この小説はそんな探偵と同じ愛称を持つ青年とその一派が主役。舞台は濱マイクと同じ横浜。

青年たちはハマっ子の自負を隠さない比較的裕福な悪ガキども。
彼らが、仲間内の一人が事故死した原因を警察のある車両に見い出し、
その警察車両に対し復讐のカーチェイスを繰り広げるといったストーリーです。
しかし、この復讐劇、ハードボイルドな仇討ちと思いきや、随分と様子が違う。
刹那的で享楽的、友人の死に対する落とし前というより、
自分たちの青春に対しての区切りのように見受けられます。
大義名分として復讐が打ってつけであっただけで、
焦りや憤りの捌け口としてカーチェイスを楽しんでいるようです。
車に詳しい人なら、きっと胸が熱くなる描写が目白押しなのでしょうが、
私はその辺りはよくわかりません。
この作品が発表当時、ハードボイルド小説として扱われたのは事実なのでしょうが、
今、読むと、なかなかナイーブな青春小説の趣もあります。
快作なのでしょうが、充分に面白さを感じるには
時代と地域への造詣、車への興味や知識が私には欠けているようです。
あと、勝手に「傷だらけの天使」「探偵物語」的なものを期待していたため、
存外ストレートな感傷にたじろいでしまいました。
期待しすぎてしまったかな、というのが正直なところですね……。

